
ココアが初めてプールの横を通って、グランド方へ行きました。「ココアを出してあげたい」という子どもたちの気持ちとは違い、ココアは、扉を開けて「ココア散歩だよ」「ココアこっちだよ」と呼んでみても、紐を引っ張っても「今はチモシーを食べてるの。モグモグ。散歩に行くよりもチモシーご飯よ(ハード)」といった感じで、全く外に出る気がありませんでした。そこで、子どもたちのお世話より前に、餌を食べさせて外に出てもらう作戦をとりました。子どもたちが来てお世話の餌をさらにもらい、モグモグモグと食べ続けていましたが、ふとした時に押し出してみると小屋を出てくれました。 小屋を出たココアは、前のように、ピョンピョン跳ねたり、ぐるぐる紐を嫌がって回ったりしません。引っ張る力は強いですが、子どもたちも紐を持ちたいと集まってきました。 みんなでココアをグランドの方に誘導すると、やはり、グレーチングや高さ10センチの溝でココアは行くのをやめてしまいます。ふと、グレーチングを見ると、上に木の板が2枚並べてあります。1枚は、牛小屋のそばにあった地面のハチの巣を掘り返すのに子どもたちが遊んでいた板です。歩くところに板があるなんて危ないと思い「なんで板がここにあるの?」と注意をしたところ、「ココアがグレーチングの上を怖がらずに歩けるように置いたの」と、教えてくれました。実は、私が注意する前に一度、教育実習生の廣川先生がどかしてくれたようです。その時に「板はどこにいったの?」と言われたそうです。考えて、板を置いたことにココアを思っている気持ちがよく分かり、とても嬉しく思いました。そして、「何事も、頭ごなしに注意することはよくない」と改めて思う一幕になりました。 そうこうしているうちに、ココアはグレーチングと溝を避け、プールの柵の方に行きました。途中で植木に頭をこすり当てながら下りていきました。子どもたちは「ココアの冒険だあ!」と、喜んでいました。残念ながら、1時間目が終わり、ココアを小屋に戻す時間になってしまいました。次の散歩に期待が高まる時間になりました。
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