吉川美術館_作品集_

たゆたえども沈まず(作品No.235)



 フランスの首都パリ市の紋章には「たゆたえども沈まず」と書いてあります。分かりやすく言うと「揺れはするが、沈没はしない」という意味です。パリの街は歴史上何度も戦争によって壊されてきましたが、その度にパリ市民は美しい街を築いてきました。
 この絵では、「おおぞら学年」の卒業生が波に揺られながらも、あきらめずに進もうとしている場面を描きました。波や背景は葛飾北斎の浮世絵を手本にしました。
 これからの人生、楽しいことはもちろんありますが、困難なことや悲しいこともあります。そのような波に揺られることがあっても、「人生は揺られて当たりまえ、でも、沈まないぞ」という気持ちをもち続けましょう。そうすれば、きっと船は進み、目的地に着くことでしょう。
(鑑賞するときに聴きたい曲:『宙船』中島みゆき)






池田 隆